2024/05/08

旧営巣地で昼も夜も元気に走り回って遊ぶニホンアナグマの幼獣たち【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月中旬 

遊びたい盛りのニホンアナグマMeles anakuma)幼獣が昼夜を問わず二次林内の旧営巣地(セット)を走り回るシーンをまとめました。 

シーン0:8/14・午後13:51・晴れ(@0:00〜) 
シーン1:8/14・午後14:13(@0:03〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン2:8/17・午前11:56・晴れ・気温33℃(@0:08〜) 
左から走ってきたアナグマ幼獣が巣口Lで立ち止まり、少し引き返して身震いしてから再び巣穴Lに入りました。 
遊び相手が追って来ないので、独り遊び(空想上の敵と追いかけっこごっこ)をしているようです。 
やがて勢い良く出巣Lすると、左へ駆け去りました。 


シーン3:8/17・午後12:02・晴れ(@0:34〜) 
約5分後に、アナグマの幼獣2頭が旧営巣地(セット)に来ていました。 
幼獣aは右奥の林縁に座って、体の痒い部位を掻いています。 
巣口Rから外に出てきた幼獣bはaに向かって突進してから、手前で立ち止まり、上下に飛び跳ねて挑発します。 
遊ぼうよ!と誘っているのでしょう。 
幼獣2頭は唸り声を上げて、もつれあうように巣穴Rの中に転がり込みました。 
その後は外に出て来る様子がなぜか記録されていませんでした。 


シーン4:8/19・午後19:58・気温27℃(@0:46〜) 
2日後の晩にも独り遊びするアナグマ幼獣が現れました。 
巣口Lをピョンと飛び越えると、獣道を右奥へ走り去ります。 
立木の手前で立ち止まって腰を落とし、スクワットマーキングしたようです。 
引き返してきて広場を右往左往走り回っています。 
戻ってきたアナグマ幼獣が、巣口Lの手前で腰を下ろしました。 
ただ座り込んだだけで、尻を地面に擦り付ける動きをしていません。 
幼獣による未熟なスクワットマーキング行動なのでしょうか? 
また左へ元気に駆けて行きました。 


シーン5:8/19・午後19:58・気温27℃(@1:20〜) 
 別アングルに設置した旧機種のトレイルカメラで続きが撮れていました。 
対面のミズキ立木に固定した新機種トレイルカメラの赤外線LEDが煌々と点灯しているのが見えます。 

奥の二次林から広場に走って来たアナグマ幼獣が、少し立ち止まってから左へ向かいました。 
左から駆け戻ってきた幼獣が暗闇で林冠から垂れ下がる蔓植物に頭からぶつかり、つながっている枝葉が激しく揺れました。 
2アングルの監視映像を見ても遊び相手は写っていませんから、やはり独り遊びではしゃぎ回っていたようです。 


【考察】
ニホンアナグマ幼獣の個体識別どころか性別も見分けられませんが、兄弟姉妹で遊ぶのが好きな幼獣3頭と、独り遊びが好きな幼獣1頭に別れているような気がしてなりません。 
まれに幼獣4頭が一緒に行動しているシーンが撮れますから、1頭だけ仲間外れにされているとは思えません。
好きで独り遊びしているのでしょう。

この二次林で監視カメラの数をもっと増やして格子状に密に配置すれば、走り回るアナグマ幼獣の動向が詳しく掴めてくるかもしれません。

私が本当にやりたいのは、各個体に小型のGPSやGoProカメラを装着して位置座標を刻々と記録することです(バイオロギング)。
そうすれば、日々の行動圏や引越し先の巣穴の位置もたちどころに判明するでしょう。
首輪の色などで個体標識も可能です。
しかし、罠を使って安全に一時捕獲したり麻酔したりする必要があるため、素人には手が出せません。

つづく→

オニグルミの木に登って鳴き、樹液を吸うニイニイゼミ♂の群れ

 

2023年7月中旬・午後13:00頃・くもり 

山麓の道端でニイニイゼミ♂(Platypleura kaempferi)の合唱が聞こえました。 
鳴き声を頼りに辺りを探すと、若いオニグルミ灌木の細い幹に複数個体が止まっていました。 
樹上で生きたニイニイゼミを見つけられたのは、恥ずかしながら今回が初めてです。 
オニグルミの樹皮の色よりもニイニイゼミの翅の雲状紋の方が濃くて、それほど保護色(隠蔽擬態)になっていませんでした。 
私でも見つけられたのは、目立っていたからです。 

チーーー♪と単調にひたすら鳴き続けている♂個体を背側から撮ると、腹部を高速で前後に伸縮させて腹式呼吸しています。 
セミ♂にとって、鳴く行為(発音)はなかなか激しい運動なのでしょう。 
気温を測るのを忘れてしまいました。 
オスは翅を半開きにして「チー…ジー…」と繰り返し鳴く。鳴き始めは「チー」が数秒、急に音が高く大きくなって「ジー」、数秒-10秒ほどで緩やかに「チー」へ戻り、数秒後に再び「ジー」となり、鳴き終わりは「チッチッチ…」となる。日中の暑い時間帯には鳴く個体が少ないが、明るいうちはほぼ一日中鳴き、夜でも街灯など灯火に集まって鳴くことがある。他のセミが鳴かない朝夕の薄明頃にはヒグラシと並んでよく聞こえる。 (wikipediaより引用)

樹上で鳴いていたニイニイゼミ♂が、何の前触れもなく幹から飛び去りました。(@0:43〜) 
スローモーションにしても羽ばたきは速すぎて見えませんでした。 
次に機会があれば、飛び立つ瞬間をハイスピード動画で記録してみるつもりです。 

初めは気づかなかったのですが、カメラを上下にパンすると、計3匹のニイニイゼミが同じオニグルミの木に止まっていました。 
上には木登りしている個体がいました。(@2:32〜) 
立ち止まると幹に口吻を垂直に突き立てました。 
樹液を吸い始めたようです。 
腹面が白っぽく、腹弁が見えることから♂と分かります。 
真横から見ると、翅が透明に透けていて、その上に暗褐色の雲状紋が描かれています。 
口吻を斜め下に突き刺して樹液を吸汁している個体もいます。(@3:00〜) 

長撮りしている私の背後を車が通過しても、ニイニイゼミ♂は逃げませんでした。 
これだけ多くの個体が集まっているということは、羽化直後なのですかね? 
今思うと、念のために木の根元で抜け殻(羽化殻)を探すべきでした。 

 ※ 映像素材の順番を少し入れ替えました。 


ニイニイゼミ♂の鳴き声を声紋解析してみる? 
複数個体の鳴き声であることに注意。 
近くの草むらで直翅目も鳴いています♪(キリギリス系) 


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2024/05/07

夏の夜のスギ林床で活動する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月中旬 

スギ防風林にあるアナグマの溜め糞場を自動センサーカメラで見張っていると、夜に野ネズミ(ノネズミ)がときどき写ります。


シーン0:8/14・午後14:48(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
画面の左下隅に朽ち果てた切株があり、そのすぐ奥に古い用水路が掘られた名残の溝が斜めに走っています。 
この溝は獣道の一部になっています。 
その溝に捨てられた古い手押し車のフレームが錆びたまま放置されているのですが、スギの落ち葉が枯れた色と同じで紛らわしいですね。 
この手押し車フレームを目印として、ニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpがあり、黒い軟便が溜まっています。 


シーン1:8/17・午後20:36(@0:02〜) 
晩に野ネズミが溜め糞stmpの左横からスギ林床を左へ駆け抜けました。 


シーン2:8/19・午後22:56(@0:11〜) 
2日後の晩遅くにも画面の左エリアで林床を手前にチョロチョロと向かって来ます。 
切株の手前で溝に降りて死角に消えました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
野ネズミはアナグマの溜め糞場stmpにあまり近寄らないようです。 
匂いが嫌いなのか、あるいはタヌキの糞と違って未消化の種子が含まれていないからかもしれません。 
今回はカメラの画角設定がいまいちだったので、もう少し監視を続ける必要があります。 


つづく→

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