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2024/04/26

山道の土を舐めてミネラル摂取するエゾミドリシジミ♂?【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月下旬・午前11:55頃・晴れ 

里山の細い林道でゼフィルスの一種が地面を歩き回っていました。 
翅を閉じたままなので、日光浴ではありません。 
弱っているとか、飛翔能力に何か問題のある個体なのか?と思って動画を撮り始めました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:25〜1:39) 
動画をじっくり見直すと、オレンジ色っぽい口吻を伸ばして地面を舐めていることが分かりました。 
性成熟に必須のミネラル成分(ナトリウムイオンやアンモニウムイオンなど)を摂取する行動と分かり、納得しました。 
水溜まりなど湿った地面なら吸水のついでにミネラルを摂取できますが、乾いた地面を舐める際には胃から水分を吐き戻して溶かしたミネラルを摂取しているのでしょう。 

関連記事(13年前の撮影)▶ エゾミドリシジミ♀の塩分補給 


長い口吻をゼンマイ状にくるくると丸めてから飛び立ちます。 
翅裏の色は地味ですけど、羽ばたくと翅表の美しいエメラルド・ブルーが目につきます。 
翅表が派手なのは、ゼフィルス♂の特徴です。(顕著な性的二型)
短く飛んで、山道のあちこちで地面の味見をしています。 
林道に落ちていた金属製のスプリング(バネ?)のような物の上を歩いて通り過ぎたものの、その金属をじっくり舐めることはありませんでした。
金属ではなくプラスチックだったのかもしれません。 

地面から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:41〜) 
翅表の美しい構造色をしっかり撮るのが目的です。 
ゼフィルスは林道の地面が乾いて土がひび割れた地点に再び着地し、歩いていました。 
しっかり閉じた翅がときどき横倒しになるのは、風に煽られているようです。 
飛び立つと夏の強い日差しを浴びて、翅表がエメラルドグリーンに煌めきました。 
翅の角度によって青っぽく見えたり緑っぽく見えたりします。

さて、このゼフィルスを映像から同定できるでしょうか? 
翅があちこち破損した個体で、尾状突起も失われていました。
エゾミドリシジミ♂(Favonius jezoensis)またはジョウザンミドリシジミ♂(Favonius taxila)ではないかと思うのですが、どうでしょう? 


つづく→ゼフィルスが天敵に襲われて危機一髪! 


栗田貞多男『ゼフィルスの森:日本の森とミドリシジミ族』によると、
 高等ゼフィルスの♂では、早朝あるいは活動時間の後半に地表や葉上、枝などに残った水分を吸液するシーンによく出会う。とくに顕著なのはアイノミドリシジミで、午前10時ごろから昼にかけて、テリトリー周辺の路上や下草に舞い降りて吸水を繰り返す。まるで草原性のシジミチョウのように地表近くを弱々しく飛ぶが、数回の吸水を終えると生き返ったかのようにすばやい飛翔スピードで、森の中や梢へと飛び去る。この吸水習性は、栄養分というよりは純粋に水分の補給のように思われる。ジョウザンミドリシジミやエゾミドリシジミ・メスアカミドリシジミも同じ吸水行動が見られるが、アイノミドリシジミよりは弱い。 
 ハヤシミドリシジミは早朝、カシワの葉上あるいは芽の基部などにたまった水滴を吸うことが多い。この場合、単に水分だけを吸水しているのか、あるいは樹液、野鳥のフンなどの溶解分、アリマキや小昆虫などの分泌物や死体などからのエキスなどもあわせて吸液しているのかはたしかではない。 (p127より引用)
「湿った路上で吸水するメスアカミドリシジミ」と題した写真も掲載されていました。 


蛭川憲男『水場に集まる生きものたち』という本のp43に、 「吸水するミドリシジミ♂」と題した生態写真が掲載されていました。 
砂利道の砂を舐めているようです。 


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金属のスプリングを舐めるか?

2024/04/24

ネジバナの花で採餌するクマバチ♀は捻れの向きの違いに対応できるか?【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月中旬・午前11:00頃・くもり 

山麓の池畔に点々と咲いたネジバナの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
そもそも私は、ネジバナの送粉者をこれまで実際に観察したことがありませんでした。 

 関連記事(3年前の撮影)▶ クロマルハナバチ♀はネジバナの花で採餌するか?
TV番組を見ていたら(中略)、ネジバナの送粉生態学を分かりやすく紹介していました。 興味深く拝見していると、ニホンミツバチやコハナバチなど体長約1cmの小さなハチがやってくるのだそうです。
クマバチは大型のハナバチなので、今回の観察結果は明らかに反例となります。 

小さな花が並んで咲いている茎を下から上に登りながら螺旋状の花序を順に訪れ、丹念に吸蜜していました。 
登りながらときどき羽ばたいているのは、体のバランスを保つためでしょう。 
ネジバナ花序の天辺に来ると次の花序の下部まで飛んで移動し、また螺旋状に登りながら採餌を続けます。 
後脚の花粉籠は空荷でした。 
ネジバナ螺旋花序での採餌行動を回転集粉と呼ぶのは間違っているでしょうか?(用語の誤用?) 

ネジバナの花でクマバチ♀が採餌する様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:50〜) 
花から飛び立った後のホバリング(停空飛翔)もスーパースローにすると見応えがあります。 


ネジバナはラン科なので、それぞれの花には花粉塊があるはずです。
しかし、訪花を繰り返すクマバチ♀の体毛に花粉塊は付着していませんでした。
(花から飛び去る際に、縮めた口吻の先に黄色い花粉が付着していた?)
後脚の花粉籠も空荷だったので、もう花粉が取り尽くされた後の花で吸蜜に専念していたのかもしれません。


細長いネジバナの花序にAFのピントを素早く合わせるのは結構大変なので、クマバチが次から次に別の花序を訪れるシーンを連続で動画に記録することはできませんでした。 
(毎回、蜂が来ている花序にピントを合わせてから撮影を始めます。) 

しばらく観察していると、クマバチ♀がときどき螺旋状のネジバナ花序を下に少し降りては上に登り直すというギクシャクした動きをすることに気づきました。 
ネジバナ花序の螺旋の向きは右回りと左回りが群落内でほぼ半々あるらしく、たまに全く捻じれていない花序もあるそうです。
(私は捻れのない花序を未だ見つけたことがありません。)
それまでずっと右回りの螺旋で採餌していたクマバチ♀が急に左回りの螺旋花序に来ると、戸惑って下降してしまうのでしょうか?(逆もしかり) 
それでもじきに新しい回転の向きに順応して、上に登りながら採餌するようになります。 
クマバチはネジバナの群落内で捻れの反転にいまいち臨機応変に対応できないのかもしれません。 
 …という「もっともらしい仮説」を思いついて有頂天になりかけたのですけど、よくよく考え直すと、説明になっていません。 
たとえネジバナの螺旋花序を下降したところで、蜂にとって螺旋の向きは変わりませんね。 
(左回りの螺旋を下降しても、通い慣れた右回りの螺旋にはならない。) 
素人考えでは、螺旋の向きを統一したほうが送粉者への負担が少ない(授粉効率が上がる)はずです。 
なぜネジバナの花はそのように進化しなかったのでしょうか? 
例えば、右巻きのネジバナと左巻きのネジバナが今まさに別種に種分化する途中だとしたら、面白いですね。 
特定の向きの螺旋花序に対応したスペシャリストの送粉者もそれぞれが共進化で種分化することになりそうです。 
せっかくスムーズに採餌していた送粉者を戸惑わせて負荷(ストレス)をかけたり授粉作業を遅らせたりしているのは、ネジバナの繁殖戦略上、何か秘密がありそうな気がします。 
他家受粉の効率を上げるために、ハナバチには少し採餌したら別な群落に飛び去って欲しいのかもしれません。 

いくら考えても、私にはエレガントでしっくりくる説明が思いつきません。 
それとも単に、一度素通りした花に蜜が残っていることに気づいたクマバチ♀が花序を下降して戻っただけなのでしょうか? 
ネジバナ花序の螺旋の向きが本当にランダム(右巻き:左巻き=1:1)なのか、現場で確かめるべきでしたね。
1本ずつ花序にテープなど目印を付けながら螺旋の向きを調べないと、重複や漏れがありそうです。
下に掲載した写真では、左巻きの花序は少数でした。
個人的にクマバチもネジバナも好きなので、この夏一番エキサイティングな虫撮りになりました。


【参考文献】 
ネット検索してみると、先行研究がありました。
ネジバナ花序の捻れの向きではなく捻れの強弱に注目した研究で、送粉者としてはハキリバチの採餌行動を観察したそうです。 
Iwata T, Nagasaki O, Ishii HS, Ushimaru A. Inflorescence architecture affects pollinator behaviour and mating success in Spiranthes sinensis (Orchidaceae). The New phytologist. 2012;193:196-203. (検索すると、全文PDFが無料でダウンロードできます。) 


この研究の概要が石井博『花と昆虫のしたたかで素敵な関係:受粉にまつわる生態学 』という本に書かれていました。
花序の捻じれ具合が異なるネジバナ群落の中で:しぐま註)捻じれ具合の弱い花序ほど多くの送粉者(ハナバチ)が訪れる一方で、そのような花序ほど、ハナバチ各個体による花序内での連続訪花数が増加していることがわかりました。ハナバチの仲間には、花序を下から上に向かって訪花していく傾向があります。捻じれが強い花序を訪れたハナバチは、いくつかの花をスキップして上の花に到達し、そのまま他の花序へ飛び立ってしまうようです。そして、捻じれが強い花序は、花がばらばらの方向を向いているために、送粉者から、やや目立ちにくくなっているようです。つまり、捻れが弱いほうが多くの送粉者を集めることができますが、捻れが強いほうが隣花受粉は減らせるようなのです。 (p212〜213より引用)

この論文の結果を念頭に置いてネジバナ送粉者の採餌行動を私なりにもっと観察してみたいのですけど、昆虫の数が激減している昨今では、観察効率が悪くて仕方がありません。
ネジバナの花が咲き乱れる群落でしばらく待っても、クマバチ以外の訪花昆虫を全く見かけませんでした。

ネジバナの美しい螺旋花序はとても魅力的なテーマなので、螺旋の形態形成(花の発生学)などをもう少し自分で深く勉強したくなります。 
植物の形態にはフィボナッチ数列フラクタルなど数学的に美しい構造が潜んでいます。 
それを実現するために、具体的にどのようなプログラム(再帰的アルゴリズム)で植物のゲノムに記述されているのか、植物のエボデボ(Evo Devo)やエピジェネティクスも勉強したら面白そうです。 


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【追記】
高校生による独創的な研究を見つけました。
野外でのネジバナの揺れ方の違いから「花の配置が気流に影響する」と考え、「風洞実験装置」いう装置を用いて、煙を使い気流を観察した。
私もこのぐらい柔らかな発想で調べたいものです。
右回り
左回り(私ピンクのサウスポー♪きりきり舞いよ♪きりきり舞いよ♪)
右回り
右回り
ネジバナの花:右回り

2024/04/22

オレガノの花蜜を吸い飛び回る夏型のキタテハ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月中旬・午前11:55:頃・晴れ 

民家の裏庭の花壇に咲いたオレガノ(別名ハナハッカ)の群落で夏型のキタテハ♀(Polygonia c-aureum)が訪花していました。 
翅をときどき開閉しながら吸蜜しています。 

風が強く吹いて虫撮りには最悪のコンディションでしたが、240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ると、風揺れが気にならなくなります。(@0:19〜)。 
というか、ハイスピード動画モードに切り替えた途端に風が静かに収まってしまいました。(まさにマーフィーの法則) 
隣のオレガノ花序でハナバチの一種♀が歩き回りながら採餌していますが、キタテハには干渉しませんでした。 
キタテハも最後に力強く羽ばたいて飛び去りました。 


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2024/04/16

ネジバナの花から飛び立ち獲物を捕食するナツアカネの未成熟♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月下旬・午後14:30頃・曇りときどき晴れ 

山麓の水路沿いの小径に咲いたネジバナ花序の天辺に未成熟のナツアカネ♀(Sympetrum darwinianum)が止まっていました。 
翅を深く下げて休んでいます。 
右中脚の先(跗節)が欠損している個体でした。 
狩った獲物に必死で反撃されて足先を噛み千切られたのかもしれません。
今回初めて知ったのですが、図鑑『日本のトンボ』によると、ナツアカネ♀は翅の基部に橙色斑が現れる個体もいるとのこと。 

頭部をグリグリ動かして大きな複眼で上空を油断なく見張り、何か他の昆虫が飛来すると直ちに飛び立ちます。 
獲物を待ち伏せする上でこのネジバナはお気に入りの止まり場らしく、飛び立ってもすぐに同じ花序に戻って来ます。 
ネジバナに訪花すると言っても、花蜜や花粉が目当てではありません。
花に止まる向きにはこだわらないようです。 
ちなみに、この株は右回りにねじれて咲く螺旋花序でした。 (野生のネジバナで螺旋の向きは、右回りと左回りの株が1:1で見つかるらしい。) 

この個体がネジバナの花序に離着陸する瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:17〜1:13) 
ナツアカネ未成熟♀は、左上を見上げてから飛び立ちました。 
離陸直前にフェイントをかけるように、スクランブル発進の角度を変えたのが興味深く思いました。 
上空を高速で通り過ぎる獲物に対応して、軌道を先読み(高速軌道計算)したのでしょう。 
すぐに同じネジバナに戻ってきて着陸。 
前回とほぼ同じ方向に止まりました。 
しっかり横を向いてくれたときにトンボの口元に注目すると、獲物を咥えてなかったので、狩りには失敗したようです。 

狩りに成功したシーンは高画質のFHD動画で撮れていました。 
ネジバナの天辺から飛び立って戻ってきたナツアカネ♀は、口に何か小さな黒っぽい昆虫を咥えていました。 
その場でムシャムシャと獲物を咀嚼して捕食します。 
食事に脚を使うことは全くありません。 
この獲物を食べ終える前に、ナツアカネ♀が再び飛び立ちました。 
今回の狩りは失敗したようです。 (獲物に逃げられた)
食べかけの獲物を咀嚼し続けて、完食しました。 
捕食中に、手足を使わずに口の動きだけで、獲物の食べられない翅を落としました。 
この食べ残しを拾ってじっくり調べたら、獲物の正体が大まかにでも突き止められたかもしれませんね。 
後半は、狩りの成功シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:19〜) 

このナツアカネ♀個体は観察の後半になると、ネジバナの花から移動して近くの下草(イネ科)に止まり直しました。 
後ろ向きでは口元が見えず、狩りの成否が不明です。 
それでも背側から撮れたので、順番を入れ替えて冒頭シーンに採用しました。 
周囲の林からミンミンゼミ♂(Hyalessa maculaticollis)♂の鳴く声♪が聞こえます。 


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2024/04/14

オレガノの花蜜を求めて飛び回るウラギンスジヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月中旬・午後12:00頃・晴れ 

民家の裏庭に咲いたオレガノ(別名ハナハッカ)の群落でウラギンスジヒョウモン♂(Argyronome laodice japonica)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
半開きの翅を開閉しながら吸蜜しています。 
前翅の翅表には性斑(性標)の黒条が2本あります。 

オレガノの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:50〜) 
晴れていても風が強く吹く日でした。 
スーパースローにすると、悩ましい風揺れも気にならなくなります。 
ウラギンスジヒョウモン♂は味見して蜜量が少ないと、少し飛んで隣の株の花序へ移動します。 
探餌飛翔中のキイロスズメバチ♀(Vespa simillima xanthoptera)や採餌飛翔中のクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)もカメオ出演してくれました。

2024/04/10

トリアシショウマの花で飛び回り採餌するオオマルハナバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月中旬・午後12:20頃・くもり 

ほぼ廃道状態になった里山の林道に咲いたトリアシショウマの群落でオオマルハナバチBombus hypocrita)のワーカー♀が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
吸蜜する蜂の後脚を見ると、花粉籠に白い花粉団子を満載していました。 
振動集粉するかと期待したものの、静かな山中で耳を澄ませても特有の振動音♪が聞き取れません。 

オオマルハナバチ♀がトリアシショウマの花穂から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:49〜) 
空中でホバリング(停空飛翔)しながら左右の後脚を擦り合わせて身繕いし、体毛に付着した花粉を後脚の花粉籠にまとめます。

2024/03/24

ウツボグサの花から花へ飛び回り採餌するトラマルハナバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月上旬・午前11:45頃・くもり 

里山の麓に近い山道に沿って咲いたウツボグサの群落でトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀が忙しなく訪花していました。 
シソ科の唇形花に正当訪花で吸蜜する蜂の後脚を見ると、花粉籠に茶色の花粉団子を付けています。 

トラマルハナバチ♀の採餌行動を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:30〜) 
トラマルハナバチは顔の幅が細いので、花筒の奥に顔を突っ込みやすくなっています。 
花筒から長い口吻を引き抜きながら、左右の中脚で同時に胸背と頭部を拭い、付着した花粉をまとめています。 
次の花に飛びながら空中でも身繕いを行い、後脚の花粉籠に移しています。 
飛翔中も長い口吻を伸ばしたままでした。 (邪魔にならないよう後方に向けている。)
一連の動きに無駄がありません。

関連記事(11年前の撮影:吸蜜のみ)▶ トラマルハナバチ♀がウツボグサに訪花 


トラマルハナバチの他にはセセリチョウの仲間(イチモンジセセリ?)も訪花していたのですが、蜂の撮影を優先している間に見失ってしまいました。

2024/03/14

ムシトリナデシコの花蜜を吸い飛び回るキタテハ夏型♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午後14:30頃・曇のち晴れ 

山麓の家庭菜園の花壇に咲いたムシトリナデシコの群落でキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
翅を開閉しながら吸蜜しています。 
この組み合わせは初見です。 
夏型の場合、翅表の色彩が淡いのは♀の特徴なのだそうです。(参考:『フィールドガイド日本のチョウ』p223) 

ムシトリナデシコの花序を歩き回っていたキタテハ♀がバランスを崩しました。 
体勢を立て直そうと羽ばたいたついでに、少しだけ飛んで移動します。 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:37〜) 
少し飛んで隣の花序に移動します。 

伸ばした口吻の先端で花筒の入口を探り当てると、深く差し込んで吸蜜していることがスローモーションでよく分かります。 
蜜標を目印にして訪花しているはずですが、花筒の開口部を探り当てるのに苦労しています。(視覚ではなく口吻の触覚に頼っているように見えます) 
園芸品種のムシトリナデシコでは品種改良の結果、花弁の根元にあるはずの蜜標が目立たなくなってしまったのでしょうか? 
紫外線写真を撮って確認してみたいものです。 

ムシトリナデシコ(虫取撫子)がムシトリと呼ばれる理由は、茎に強い粘着性を有する区間があり、地上から登ってくるアリなどを吸着(捕虫)するからです。 
関連記事(11年前の撮影)▶ ムシトリナデシコに来る虫の話 

捕らえた獲物を体外消化する食虫植物ではなく、送粉に寄与しないアリなどの盗蜜者が訪花するのを排除するための進化的適応と考えられています。 
今季は「虫撮り撫子」に訪花する様々な蝶を動画に撮ることが出来ました。

2024/03/12

キリンソウの花蜜を吸い飛び回るメスグロヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午後14:15頃・晴れ 

山麓の神社の参道沿いに咲いていたキリンソウの群落でメスグロヒョウモン♂(Damora sagana)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
日向では暑いのか、閉じた翅をときどき半開きで開閉しながら吸蜜しています。 
日陰の花に来ると、翅をほぼ全開にして緩やかに開閉しながら吸蜜します。 
『フィールドガイド日本のチョウ』p196によると、 翅表・前翅中室内の斑紋が前縁に対して斜めとなるのでメスグロ♂と判明。 
私は今まで翅裏の斑紋でしか見分けられなかったのですが、この識別点を初めて知り、今後も役立ちそうです。 
前翅の翅表に性標(性斑)の黒条が3本あるので、♂と分かります。 

メスグロヒョウモン♂がキリンソウの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:49〜) 

撮れた映像素材の順番を入れ替えて編集しています。 
現場では翅裏をなかなか見せてくれなくて、同定できるまでしつこく同一個体を追い回して長撮りしました。 
翅を閉じた状態で翅裏を正対して見せてくれないと、晴れた日は翅表の斑紋が翅裏にまで透けて見えてしまい、同定に難儀することになります。 

他にシロチョウ類もキリンソウに訪花していたのに、カメラを向けたら逃げられてしまいました。

関連記事(7年前の撮影)▶ キリンソウの花蜜を吸うモンシロチョウ
 

2024/03/07

日光浴中のアオダイショウに集るムネアカオオアリ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午前11:50頃・晴れ 

砂利が敷かれた山道にアオダイショウElaphe climacophora)が長々と横たわっていました。 
私が近寄っても逃げないので、車に轢かれた死骸(ロードキル)なのか?と初めは思いました。 
ムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀が群がって体中を這い回っても、蛇は全く無反応です。 
アリが眼球に触れても瞬きしませんでしたが、そもそも蛇にはまぶたが無いので、生きた蛇も瞬きすることはありません。 

周囲の森から聞こえる澄んだ美声は、オオルリ♂(Cyanoptila cyanomelana)の囀りさえずり♪ですかね? 

私が広角で動画を撮りながら蛇にゆっくり近づき、背後から回り込んでも、逃げようとしません。 
アオダイショウは頭部だけ日向に居て、残りの体は日陰に居ることが分かりました。 
ヘビの生死を確かめるために動画を撮りながら足で軽く小突いてみようとしたら、遂にアオダイショウが舌を出し入れし始めました。 
風の匂いを舌で鋤鼻器じょびきに送り込んで嗅ぎ取る行動です。 
アオダイショウが先の割れた舌を高速で出し入れする様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:46〜2:34) 
頭部を左右に揺らしながら、かすかに前進していることが分かります。 

ピンクの舌を素早く出し入れしながら砂利道をスルスルと蛇行して横切り、道端の草むらに潜り込みました。 
林道の左右はスギ植林地でした。 


関連記事(2ヶ月前、1年前の撮影)▶  

2024/03/06

イトバハルシャギクの花蜜を吸い飛び回るモンキチョウ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午前10:50頃・晴れ 

交差点の花壇に咲いたコスモスのような黄色い花にモンキチョウ♀(Colias erate poliographus)が訪花していました。 
いつものように、翅をしっかり閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。 
よほど蜜量が多いのか、何度飛び立っても同じ群落に舞い戻って来ます。 
隣に咲いたピンクのマツバギクの花には見向きもしません。 

関連記事(3年前の撮影)▶ マツバギクの花で吸蜜するモンシロチョウ♀


交通量の多い横の車道を車が往来しても、モンキチョウ♀はあまり気にしないで吸蜜を続けています。 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:45〜) 
飛び立っても同じ花に舞い降りるときには、飛翔中も口吻を丸めずに伸ばしたままでした。 
なかなか見応えのある飛翔シーンが撮れました。 
よく晴れて太陽光が強く、ハイスピード動画撮影日和でした。 


【アフィリエイト】 

 
家に帰ってからこの園芸植物の名前を調べると、イトバハルシャギクと判明。 
葉の形状が確かに「糸葉」でした。

2024/03/04

ムシトリナデシコの花蜜を吸いながら羽ばたき続けるキアゲハ春型♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後13:50頃・晴れ 

道端の花壇で満開に咲いたムシトリナデシコの群落に春型のキアゲハ♂(Papilio machaon hippocrates)が飛来し、訪花を始めました。 
羽化したてなのか、翅が無傷の個体です。 
腹端部の形状が尖っていることから♂と判りました。 

ムシトリナデシコの集散花序の上を歩いて移動しながら細長い花筒に口吻を次から次へと差し込んで吸蜜するので、なかなか飛び立ちません。 
訪花中も半開きの翅を忙しなく羽ばたかせながら吸蜜しています。 
ムシトリナデシコの花が風で揺れるので、羽ばたくことでバランスを取っているのかな? 
蜜源植物上であえて羽ばたき続けることで、異性に対して存在をアピールしているのかもしれません。 
(ただし、捕食者に対しても目立ってしまうという諸刃の剣です。) 
常に飛翔筋をアイドリングしてないと、天敵に襲われたときや♀が飛来したときなどに素早く飛び立てないのかもしれません。 
大型の蛾では翅を実際に大きく羽ばたかせなくても、胸部の飛翔筋だけを高速で伸縮させてアイドリングすることが可能です。
(静止時にブルブル震えているように見えます。) 
アゲハチョウ科は解剖学的にその仕組みが備わって無いのでしょうか? 

訪花シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜) 
吸蜜しながら、大きな翅がしなやかにしなりながら優雅に羽ばたいています。 
いつもなら、長撮りしても蝶が花から花へ飛び立つ瞬間だけを編集で切り取ることにしています。 
キアゲハは大型の蝶で訪花中にただ羽ばたいているだけでもスーパースローで見ると絵になるので、ノーカットでお届けすることにしました。 
風の強い日で被写体が激しく揺れる悪条件でも、スーパースローで見ると、風揺れが気にならなくなります。 
日差しが強くて充分に明るかったので、この日はむしろハイスピード動画の撮影日和でした。 

関連記事(7年前の撮影)▶ ムシトリナデシコの花蜜を吸うキアゲハ

2024/03/03

雨の日にオオキンケイギクの花蜜を吸いに飛び回るヒメウラナミジャノメ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後14:35頃および15:10頃・雨天 

民家の裏庭の花壇に咲いたオオキンケイギクの群落でヒメウラナミジャノメ♀(Ypthima argus)が小雨が降る中を訪花していました。 
翅を開閉しながら吸蜜しています。 
花蜜の量が豊富なのか、なかなか次の花に飛んでくれません。 

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:06〜) 
帽子を投げつけて飛び立たせました。 
かなり薄暗かったので予めカメラの設定でゲインを上げたのですが、やり過ぎました。 

約35分後に現場を再訪すると、小雨が降り続いているのに、ヒメウラナミジャノメがまだオオキンケイギクの花の周囲を素早く飛び回っていました。

2024/02/21

ムシトリナデシコの花蜜を吸いに飛び回るモンシロチョウ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後12:05頃・晴れ 

平地の農道沿いに咲いたムシトリナデシコの群落でモンシロチョウ♀(Pieris rapae)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅をしっかり閉じたまま、口吻を花筒の奥にぐっと差し込んで吸蜜しています。 
隣の花筒へ歩いて移動する際は羽ばたいてバランスを取ります。 
花から花へ忙しなく飛び回りますが、飛び立っても同じ花序に舞い戻ってくることもあります。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:39〜) 
最後の個体はもしかすると♂かもしれません。 
撮影アングルの加減で♂に見えるだけなのかな?
紫外線カメラで撮ればモンシロチョウの性別は一目瞭然のはずなので、カメラメーカーがお手頃な値段で発売して欲しいものです。


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2024/02/17

ムシトリナデシコの花蜜を吸うウラギンヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後13:55頃・晴れ(梅雨の晴れ間) 

川沿いの花壇で満開に咲いたムシトリナデシコの群落でウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 風で揺れるムシトリナデシコの花序で歩き回り、細長い花筒に口吻を深く差し込んで吸蜜しています。 
訪花中に初めは半開きの翅を開閉していたのに、途中から暑くなったのか、翅をしっかり閉じるようになりました。 
翅表に性標の黒条が見えたので、♂と判明。 

田中肇『昆虫の集まる花ハンドブック』によれば、
(ムシトリナデシコの)蜜は1.5cmもある細長い筒の中に隠されているので、口の長い昆虫にしか吸えない。(p42より引用)
この花壇で様々な虫が訪花していましたが、確かにいずれも口吻の長い種類でした。 (映像公開予定)

ウラギンヒョウモン♂がムシトリナデシコの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:27〜) 
風揺れの激しい虫撮りには悪条件の日でも、スーパースローで見ると気にならなくなります。


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2024/02/12

ムラサキツメクサの花蜜を吸うベニシジミ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月上旬・午前11:00頃・晴れ 

川沿いの堤防路に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)ベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。 
共にありふれた普通種ですけど、意外にもこの組合せは初見です。 
翅を立てたまま(ほとんど閉じて)吸蜜しているということは、気温が暑いのでしょう。 
よほど花蜜の量が豊富なのか、なかなか飛んでくれません。 
よく見ると、クモの遊糸が吹き流しのように風にたなびいているのがキラキラと光って見えます。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:14〜) 
すぐ横をヒゲナガハナバチ?が高速で飛来しても、ベニシジミは無反応でした。 
用事があって急いでいた私はベニシジミが自発的に飛び立つまで待ち切れず、帽子を投げつけたら前方に飛び去りました。 
緊急避難の羽ばたきが速過ぎて、翅表の斑紋をしっかり見極められず、春型か夏型か不明です。

2024/02/10

ブラックベリーの花で採餌するニホンミツバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月上旬・午前 10:50頃・晴れ および 午後15:40頃・ くもり

民家の裏庭の生垣で咲いたブラックベリー(=セイヨウヤブイチゴ)ニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
後半に登場する個体は、後脚の花粉籠に少量の薄黄色の花粉団子を運んでいました。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:51〜) 
吸蜜後は花粉で汚れた顔と触角を前脚で拭ってから飛び立ちました。 
次の花に飛んで行く間にも口吻が伸びています。

2024/02/08

タヌキの溜め糞場で激しい空中戦を繰り広げるキイロコウカアブとコウカアブの群れ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月上旬・午後13:10頃・くもり 

平地のスギ防風林にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場wbcに定点観察に来てみると、互いに少し離れて3つ並んでいる溜め糞のうち1つ(wbc-2)だけ異様な活況を呈していました。 
黄色と黒の昆虫2種類が糞塊の上すれすれを高速でブンブン群飛していたのです。 
てっきり私は、溜め糞場で黒いハエを狩ろうとスズメバチが集まってきたのかと初めは思いました。 

関連記事(2、3、11年前の撮影)▶  


昼間でもかなり薄暗いスギ林床でよく目を凝らすと、黄色っぽい昆虫はスズメバチやベッコウバエではなくキイロコウカアブPtecticus aurifer)のようです。 
同じ溜め糞場で以前、下草に止まっているキイロコウカアブを撮っています。
黒い昆虫を写真鑑定した結果、おそらくコウカアブPtecticus tenebrifer)と思われます。 
性別までは見分けられませんでした。 
採集用の捕虫網を持参していれば、しっかり同定できたかもしれません。 
しかし、網をひと振りで仕留めないと、皆逃げてしまって戻ってこないでしょう。 
黄色と黒の体色が同種の性的二型だと群飛の説明がしやすいのですが(求愛飛翔)、同じミズアブ科でも体色の異なる別種のコウカアブでした。 
各種が複数個体で溜め糞の上すれすれを低空で飛び回っています。 

私が溜め糞wbc-2に近づいたせいでコウカアブ類が警戒して溜め糞から飛び立ったのかと思ったのですが、私がその場で長時間静止していても糞塊に着陸せずに群飛を繰り広げています。 
耳を澄ますと、ブンブンという羽音だけでなく空中で互いにバチバチと激しくぶつかる衝突音が頻繁に聞こえます。 
2種共に♀は産卵目的で獣糞に来ますから、ニッチが重なる同属2種間で熾烈な縄張り争いがあるのでしょうか? 
それとも、交尾相手の♀を溜め糞場で待ち伏せしている♂が飛来した♀を空中で捕獲しようと、必死で飛び回っているのでしょうか?(求愛のための群飛) 
溜め糞の周囲で交尾中の♀♂ペアを見かけませんでした。
彼らにとっても暗過ぎて、高速飛翔中に障害物を回避できないだけかもしれません。(空中衝突不可避)
コウカアブ類の成虫は肉食性ではありませんから、狩りのための探餌飛翔ではありません。 

キイロコウカアブとコウカアブの群飛を240-fpsのハイスピード動画でも無理して撮ってみました。(@0:50〜) 
確かに空中で互いに突進してぶつかり合っていることが分かりました。 
ライバルを縄張りから追い払おうと肉弾戦を挑んでいるのか、それとも誤認求愛の結果で衝突しているのか、素人目には見分けられません。 
現場はただでさえ暗いのに、ハイスピード動画モードに変えてフレームレートを4倍に上げると、単純計算で明るさが1/4に落ちてしまいます。
黒っぽい溜め糞を背景にすると、黒いコウカアブは見えにくいです。 
黄色いキイロコウカアブはまだ辛うじて目立ちます。 

溜め糞wbc-2の表面ではいつものように、クロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫および幼虫が徘徊していました。 
キンバエ類と並んで、うんちレストランの常連客です。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施して暗い映像を明るく加工しました。 
※ アブの羽音や衝突音が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。


明らかに光量不足の薄暗いフィールドで生態動画を撮りたいとき、補助照明を使うべきでしょうか? 
写真撮影の場合はフラッシュを焚けば済む話ですが、問題は動画撮影です。 
赤外線の暗視カメラを使うほどではない、薄暗い条件が一番厄介です。 
特にハイスピード動画モードに切り替えてフレームレートを4倍に上げると、単純計算で明るさが1/4に落ちてしまいます。
私はいつも照明を使わずにカメラ本体の設定を変えてなるべく明るく写るようにしてから撮影し、編集時に更に明るく加工するようにしています。 
しかし、そのやり方では、どうしても画質が粗くなってしまいます。 

よほど明るい強力なライトを使わないと効果がありませんし、何よりも人工的な光を照射すると生き物の自然な行動が撮れなくなってしまうという懸念があります。 
野鳥や野生動物なら新たな眩しい光源に警戒してそれまでの行動を中断して逃げてしまいますし、昆虫には正または負の走光性があるので、照明自体が行動観察に悪影響を及ぼしてしまいます。 
時間をかけて照明に少しずつ慣らしてやるのが定石の撮影テクニックですけど、そんな悠長なことは言ってられない場合があります。(すぐに撮りたい場合) 
※ 昆虫にはあまり見えない赤色光のライトを使ってみるのがよさそうですが、我々ヒトが見た時にどうしても不自然な色味になってしまいます。

きれいに撮れない(見栄えが悪い)薄明薄暮の生態動画は誰も撮りたがりませんから、ある意味では未開拓のフロンティアかもしれません。 
BBCの動物カメラマンが使っているような超高感度のカメラやサーモグラフィカメラを私も使ってみたいのですけど、あまりにも高価で手が出ません(高嶺の花)。 
そうした軍事用カメラの需要が高まっている昨今、民生品の値段も下がってくれないかな〜?と密かに期待しています。

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